「米国の商標登録作業の実務」

ここでは、「米国の商標登録作業の実務」について触れてみます。

(1)    出願の作業を始める前に、まず、USPTO のサイトで商標調査を実施します。  たとえば、下記の TESS サイトを頻繁に利用します。 検索の入れ方はある程度の経験が必要でしょう。 同一商標の検索は簡単ですが、類似商標の検索は十分な知識が必要です。 簡単な検索で、出願商標に問題があるか否かの判断をしなければなりません。 当然ながら、同一・類似関係の問題だけではなく、識別力についても検討しなければなりません。 下記は、TESS の見本です。

 

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WARNING: AFTER SEARCHING THE USPTO DATABASE, EVEN IF YOU THINK THE RESULTS ARE "O.K.," DO NOT ASSUME THAT YOUR MARK CAN BE REGISTERED AT THE USPTO. AFTER YOU FILE AN APPLICATION, THE USPTO MUST DO ITS OWN SEARCH AND OTHER REVIEW, AND MIGHT REFUSE TO REGISTER YOUR MARK.

View Search History:
Records Returned: Plurals: Structured  Search Tips
Operator
Search Term: Field:
 
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(2)  問題となる商標が検索されないことを確認した後は、SAEGIS もしくは CorSearch 等を利用して、州登録の情報を調査いたします。 現在のところ、州登録の情報は SAEGIS もしくは CorSearch 等の有料検索データ・ベースを利用するのが効率的です。 双方の検索サイトは USPTO のように登録なしで利用できるわけではありません。 事前に登録する必要がありますので一般の方は利用しずらいかも知れません。 州登録の権利は申すまでもなく、その州のみに及ぶだけですので、他の州には及びません。 従って、先使用・先州登録があったとしても、最悪の場合は、その州の権利を放棄することで問題が解消いたします。 当然ながら、権利を放棄するという事は、その州での商標の使用(商品・役務の販売・提供)は差し控えるということになります。

(3)  州登録に問題がなければ、Google 等の無料の検索エンジンを利用して、Web の検索を実施します。 米国では、商標権は「登録」ではなく「使用」することにより発生するため、未登録商標がしばしば問題となります。 先使用による権利と先登録による違いは、基本的には、先使用者の権利は実際に商標を使用している地域に権利が発生し、先登録者の権利は全米に広がります。 ただし、先使用者の権利(単一州内と仮定)が先登録者の権利より早く発生した場合は、先登録者の権利は、先使用者の権利が及ぶ地域には及びません。 しかし、先使用者の権利が複数の州に及び、しかも先登録者の権利より早く発生している場合には、先登録者の権利は、最終的には、先使用者の権利の前では無力になると考えて差し支えありません。

(4)  上記の全ての観点から特に致命的な問題がないと判断できた場合は、出願の手続きに入っても差し支えないということになります。 もし、上記の調査で致命的な問題点が判明した場合には、登録出願を断念することになります。 つまり、もし可能であれば、別の商標を採用するべきと言うことです。 商標の変更が無理であれば、未登録で使用することを検討することもその選択肢の一つです。

次に「出願情報の収集」に入ります。

(5)  まず、使用されている商品・役務、もしくは、これから使用される計画にある商品・役務を特定します。 その後、Trademark ID Maual のWebサイトで、指定商品・役務の検索を行います。 ここでは、特定された商品・役務の表現が、USPTO で既に承認されているか否かを調べることになります。 つまり、承認された表現を利用すると、表現の補正指示はほぼ皆無と言って過言ではありません。 この作業がうまく運べば、TEAS-Plus 出願を利用でき、出願費用が 1クラスにつき 275ドルで済みます。 そうでなければ、325ドルもしくは出願書を郵送する場合は、375ドルとなります。 今時、出願書を郵送するのは極端に稀なことでしょう。 下記は、Trademark ID Maual の見本です。

    Trademarks > Trademark Acceptable Identification of Goods & Services
 
 

Trademark  ID Manual


Refine Search:


(6)
  指定商品・役務の選択が終われば、次は、出願ベースの特定です。 商標が米国で既に使用されている場合は、日本を含めた世界でのその商標が始めて使用された年月日、また、米国においてその商標が始めて使用された年月日を特定し、その後は、1クラスに関して最低1点の使用証明資料を集めます。 商品に関しては、商標が付された商品の写真、商標が付された商品梱包の写真、商標が付された商品に使われるラベル、商品が Online で販売されている場合は、その Webサイトのコピーなどを入手します。 そして、それらの電子コピーをなるべく JPG の形式で、Pixel  250 X 944 のサイズで準備しておきます。 このような画像処理には、Irfan View という無料のソフトを、予めダウンロードしておくと非常に便利です。 このソフトはUSPTOも推薦しております。 なお、最近では、アドビ PDF 形式を使っても問題がありません。 ところで、使用証明資料はできればフル・カラーで準備しておくと最適です。 出願ベースが使用意思の場合は、上記の使用開始日や使用証明資料は出願時には必要ではありません。

(7)  次に、商標そのものが文字商標であれば、特別に商標見本を作成する必要はありませんが、デザイン商標であれば、ある程度品質の高いものをベースに JPG 形式の電子コピーを作成します。 サイズは、使用証明資料と同じ要領です。 デザインで色相を保護しないのであれば(通常は色を保護することは少ないです)、白黒のものを準備します。 ハーフ・トーンやグレー、グラデーションが入ったものは適当ではありませんのでご注意下さい。 ただし、最近の規定変更では、新しい 「Drawing Page」 を提出することは求められませんが、ハーフ・トーンやグレー、グラデーションが特定の色を示すものか否か等を説明することが求められます。

(8)  商標の特定が終われば、次に必要となるのは、審査時に補正命令がでないようにするテクニックです。 ここでは、頻繁に対象となる項目のみを下に記します。

  • 商標の中に権利放棄するべく要素があれば自主的に権利放棄する
  • 出願人が既に同一もしくは類似する米国登録商標を有すれば、その登録番号を願書に記載する
  • 商標がなんらかの形で言葉としての意味・由来などがあればその説明を加える
  • 商標が外国語であれば、その意味・翻訳等を提出する
  • 商標がなんらかの形で地理的に関連するものであればその説明を加える
  • 商標が人名を連想させるものであれば、特定の現存する人物を示すのか否かの説明を加える
  • 商標が特定の現存する人名を示す場合は、その人物から登録許可する旨の署名文書を提出する
  • デザインの明確な説明を提出する
  • 商標見本にハーフ・トーン等の処理があれば、それが特定の色を示すのか否かを明示する

(9)  さあ、ここまで来ると、出願情報の収集は最終段階に入ります。 あと必要となるのは、単なる出願人の国籍、住所といった通常の情報のみです。 ただ、ここで注意しなければならないのは、出願人の法律上の形態を正しく特定することです。 間違った出願人の形態を特定して出願した場合には、その出願が無効となる場合がありますのでご注意下さい。

このあとは、USPTO の TEAS-Plus 電子出願書を作成するのみです。 下記の見本をご参照下さい。

Trademark/Servicemark Application, Principal Register

Selection of Application Type

Which type of form do you wish to use? Select from one of the two versions, below, and then click on the CONTINUE button at the bottom of the page.
WARNING: If attaching an image file, it MUST be in the JPG/PDF format(except for a mark image, which may only be JPG). NO OTHER IMAGE FILE TYPES ARE ACCEPTED.

 

 (10)    この電子出願書式が完了すれば、願書の出願人が署名することになりますが、一般的には願書に直接署名するか、それとも、電子メールで署名依頼を転送して署名の完了をすることがでます。さらに、願書を印刷して、従来のペンとインクによって署名を完了したあとは、署名ページを電子コピーしてアップ・ロードした後、オンライン・買い物をする気持ちでカードで出願費を支払うことで、出願手続きが完了するわけです。 数回ほど出願すると誰でも手続きができるようになります。 とは言っても、その準備作業というのは、はやり年期をいれないと、なかなか上手には出来ないかも知れません。 考えてみると、筆者は1999年か2000年ほどから続けているので、既に15年以上も電子出願を続けているわけです。 簡単に感じるのは当然かもしれません。 最後に、少し古いものですが (2006年もの)出願が受理された直後に現れる確認の見本を下記にご覧下さい。

Your Trademark/Service Mark Application, Principal Register Form Was Submitted Successfully
Success!

We have received your application and assigned serial number 77931037 to your submission. We will send an Email summary of the application data to "shoshikawa@grahamdunn.com", which will be your official confirmation of receipt. For electronically-submitted applications, the USPTO will no longer mail an additional paper filing receipt. However, since e-mail is not always reliable, please print out and save this notice. If the USPTO later determines that no filing date was justified, your submission will be returned, and your filing fee will be refunded. You would then have the opportunity to cure the deficiency, and re-file the application. Thank you.

NOTE: Do NOT send a duplicate paper copy of this filing to the USPTO, as it will interfere with the proper processing of the electronic submission and will result in your being charged for two filings, neither of which can be refunded.

Thank you.

TEAS Support Team

STAMP: USPTO/FTK-67.182.136.214-20061027145308575465-77031037-3505780ccc74b897dcaf1e55a0424b72ca-CC-19-20061027131135395338